製造業を営む経営者の皆さん、日々の経営でこんなお悩みはないでしょうか。
外部環境の変化が激しい今だからこそ、
「感覚」ではなく「数字と現場」で自社を見直すことが、経営改善・事業再生の第一歩になります。
経営改善・事業再生を数多く支援してきた中小企業診断士の視点から、
製造業の経営改善に役立つ考え方と、実際によくある改善事例をご紹介します。
製造業ではまず、
「どの製品・どの仕事が儲かっているのか」を把握できているかが重要です。
売上は見ていても、
の利益まで把握できていないケースは少なくありません。
ある金属加工業では、「忙しい=儲かっている」と思い込んでいました。
しかし製品別に原価を整理してみると、段取り替えの多い少量品が赤字で、
逆に定番品が利益を支えていることが判明。
そこで
に切り替えた結果、売上は横ばいでも営業利益が大幅に改善しました。
「忙しい仕事=良い仕事」ではないと気づけたことが転機でした。
原価が高い、と一言で言っても原因は様々です。
これを原価構成として見える化することで、打ち手が明確になります。
ある食品製造業では、「材料費が高い」と思い込んでいました。
しかし原価を分解すると、実際は外注加工費の比率が異常に高いことが判明。
一部工程を内製化し、設備投資と人員配置を見直した結果、
原価率が数%改善し、安定的な利益が出る体質に変わりました。
原価は「下げる」前に、まず正体を知ることが重要です。
製造業の経営改善で欠かせないのが、現場を見ることです。
こうしたムダは、現場に立つと驚くほど見えてきます。
ある部品メーカーでは、社長が現場を回った際、
「機械はあるのに、人が段取りで止めている時間が多い」ことに気づきました。
作業手順を整理し、治具を共通化したところ、
設備稼働率が向上し、残業時間も削減。
結果として生産性向上と人件費抑制を同時に実現しました。
改善のヒントは、会議室ではなく現場にあります。
売上の多くを特定の取引先に依存していると、
が起きた瞬間に経営が揺らぎます。
まずは取引先別売上構成を冷静に確認しましょう。
ある製造業では、売上の7割以上を1社に依存していました。
価格交渉で不利な立場に置かれていたため、
技術力を活かしたニッチ分野への営業を開始。
小口でも利益率の高い取引先を増やした結果、
依存度が5割以下に下がり、経営の安定性が大きく向上しました。
「売上が多い取引先=安全」とは限りません。
中小製造業には、大手にはない
があります。
それを「当たり前」と思わず、経営資源として再評価することが重要です。
「古い設備しかない」と嘆いていた企業が、
その設備でしかできない加工を武器に、新規顧客を獲得。
価格競争から脱却し、
「安いから」ではなく「ここにしか頼めない」仕事を増やすことに成功しました。
強みは、意外と足元にあります。
製造業の経営改善・事業再生は、
決して特別なことをする必要はありません。
これらを自社の実情に合わせて少しずつ実践するだけで、
数字にも、現場にも、確実に変化が現れます。
「うちの会社でもできそうだ」
そう感じたところから、経営改善はもう始まっています。