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26.01.14お知らせ

「M&Aは怖い」が変わるかもしれない。国が“仲介の資格制度”をつくる理由

「M&Aは怖い」が変わるかもしれない。国が“仲介の資格制度”をつくる理由

「M&Aで事業を伸ばしたい」
そう考える中小企業が増えています。

一方で、こんな声もよく聞きます。

  • M&Aってトラブルが多そうで不安
  • 仲介会社って結局どこを信用すればいいの?
  • 買い手の見極めが難しそう
  • 契約やDD(調査)がよくわからない

実は今、この“経営者の不安”に対して、国が本格的に動き始めています。
それが 「M&A仲介業の資格制度」 です。

休廃業が増えている。しかも“黒字廃業”も多い

近年、企業の休廃業・解散件数は増加傾向にあり、2024年は約6.3万件と、前年から大きく増えています。

背景には、ゼロゼロ融資の返済開始など資金繰り環境の変化もあると言われていますが、特に深刻なのが、

「黒字なのに後継者がいない」
「承継先が見つからず、やむなく廃業する」

というケースです。

本来、事業として価値があるのに、バトンが渡らずに消えていく。
これは地域経済にとっても大きな損失です。

M&Aは増えた。でも「安心して任せられない」が残っている

国や自治体が事業承継・M&Aの支援制度を拡充してきたこともあり、
中小企業のM&Aは急増しています。

しかし同時に、M&A支援の現場では一部で

  • 悪質な買い手の紹介
  • 金銭トラブル
  • 強引な進行
  • 説明不足の契約

といった問題が起きており、M&Aそのものへの信頼を揺るがす事態になっています。

M&Aは本来、会社を成長させるための前向きな手段のはずです。
にもかかわらず「怖いもの」として語られてしまうのは、非常にもったいない話です。

2026年度に創設予定「中小M&Aアドバイザー試験」とは?

こうした状況を受けて、中小企業庁は M&A支援の質と透明性を高める仕組みとして、
新たな資格制度の検討を進めています。

その中心となるのが、「中小M&Aアドバイザー試験」(仮称)です。

現時点で想定されている出題分野は、たとえば以下のような内容です。

  • M&A実務(スキーム、進め方、リスク対応)
  • 財務・税務
  • バリュエーション・DD(財務DD、法務DD、ビジネスDD、PMI視点など)
  • 法務(民法、会社法、労働法、株式譲渡契約など)
  • 行動規範・倫理(中小M&Aガイドライン等)

特に注目すべきは、
「行動規範・倫理」が試験範囲に入っていることです。

つまり国としては、

知識だけでなく、“ちゃんとした姿勢で支援する人材”を増やしたい

というメッセージを明確に出しているとも言えます。

経営者にとって何が変わる?ポイントは「見極めやすくなる」

この制度が整ってくると、M&Aで事業拡大を考える経営者にとっては、メリットが大きい可能性があります。

① 仲介・FA選びが「わかりやすく」なる

今は正直、仲介会社や担当者の質に差があります。

資格制度ができれば、少なくとも

  • 一定の知識がある
  • ガイドライン・倫理を理解している
  • 更新研修などで規律が維持される

といった “最低限の安心材料” が見える化されます。

② M&Aが「怖いもの」から「戦略の選択肢」へ

M&Aは、買って終わりではありません。

買った後に、

  • 人が辞める
  • 現場が回らない
  • 収益が伸びない

となれば失敗です。

その意味で、DDやPMIを見据えた助言ができる支援者が増えることは、
買い手企業にとっても非常に大きい話です。

M&Aで伸びる会社ほど「仲介選び」に時間をかけている

M&Aを“成長投資”として成功させる経営者ほど、共通していることがあります。

それは、

「どの会社を買うか」以上に、
「誰と進めるか」を重視している

という点です。

  • 買収候補先の情報の出し方
  • 条件交渉の詰め方
  • DDの設計
  • 契約書の論点整理
  • 買収後の統合(PMI)まで見た判断

これらはすべて、支援者の力量で結果が変わります。

だからこそ国も、資格制度を通じて
“支援の質”を底上げしようとしているのです。

今、M&Aで事業拡大を考える経営者がやるべきこと

制度の詳細は今後公表されていきますが、
経営者としては今のうちから、次の準備をしておくと動きやすくなります。

✅ 1) 「買う目的」を明確にする

売上拡大なのか、エリア展開なのか、人材確保なのか。
目的が曖昧だと、買収しても成果が出ません。

✅ 2) “買う前提”で社内の受け入れ体制を整える

M&Aは経営のイベントではなく、現場のプロジェクトです。
キーマンの巻き込みが重要です。

✅ 3) 支援者のチェック項目を持つ

「紹介されたから」「有名だから」ではなく、
説明の透明性・リスク説明・契約条件など、冷静に見極めることが大切です。

M&Aが“攻めの経営”として当たり前になる時代へ

M&Aは、後継者問題を解決する手段であると同時に、
買い手にとっては事業拡大の強力な武器です。

そして今、国は

  • 中小M&Aの信頼回復
  • 支援の質の向上
  • トラブルの抑止

に向けて、制度面から環境整備を進めようとしています。

「M&Aは怖い」から、
「M&Aは正しく使えば成長できる」へ。

その転換点が、まさにこれから来るのかもしれません。

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